読んで字のごとくエアコンの室内機/室外機(熱交換器・ファン)をポンプで圧力を上げたジェット水流を用いて水洗いするための機械で、通常は農業系防除機材である動力噴霧器(2~4Map程の噴射圧)や、アイリスオーヤマやケルヒャー等で知られる市販の高圧洗浄機(5.5〜8Mpaの噴射圧)を洗浄機本体とし、エアコン洗浄専用の洗浄ノズルガンや短めの高圧吐出ホースをパッケージしたものである。
各社OEMやポンプ共有でエアコン洗浄専用機として市場に投入しているが、洗剤散布にも安心して行えるようにOリングなどのシール材を耐アルカリ性のある機能部品を組み込んだモデルは丸山製作所のMSWシリーズと日立工機のAW18DBL(S)だけである。
逆に絶対に苛性ソーダの含有された強アルカリ性エアコン洗浄剤を使えない洗浄機は、標準タイプの日立工機AW18(14)DBLシリーズと、現在イチネンタスコや有光工業が採用しているオリジン工業社製の洗浄機JET-150Ⅱや、過去横浜油脂工業がエアコン洗浄機として採用していたオリジン工業社製のJET-200である。これらのポンプはアルミ鋳造製品であることから苛性ソーダにより、ポンプ自体がが腐食溶解してしまうので注意が必要である。
【動力噴霧器系の中圧洗浄機のメーカー】
丸山製作所、キヨーワ、工進、アサダ、オリジン工業(有光工業)、寺田ポンプ、麻場、イチネンタスコ(伊:アノービレバベリ)
【エアコン洗浄機専用独立系メーカー】
日立工機、FUSO(中国:WIPCOOL)
さて、ここで面白いネタがあります。
洗浄剤散布に使用できるかできないか?についてですが、
そもそも、横浜油脂工業が最初にエアコン洗浄機として発売したアルミ製ポンプ搭載の【オリジン工業JET-200】で苛性ソーダ系洗浄剤を散布した失敗から、
耐薬品性(耐アルカリ性洗浄剤)を謳い、キヨーワのKYC-20Aを販売し始めたのですが、この機種、ポンプは真ちゅう製なのでアルミのような腐食はしません。
キヨーワもOリングを耐アルカリ性に変更していおる様子は有りません。
そして丸山製作所のMSWシリーズは樹脂製ポンプでアルカリ性洗浄剤に強いはずですが、Oリングを耐アルカリ性の製品に変更しているようです。
キヨーワKYC-20Aでアルカリ性洗浄剤を使用できていたのなら、丸山製作所のMSWシリーズはOリングの変更は不必要だと考えられます。
実際、使用の度合いにもよりますがホームセンターで販売されているノーマルOリングの動力噴霧器でもアルカリ性洗剤を使用してシーズン中無故障で行ける事もあるようです。
なので、ノーマルOリングのポンプでもメンテナンスでアルカリ性洗剤に取られる油分さえ補給してあげれば、長い期間水漏れやOリング損傷なしに使用できると考えられます。